お母さま、今日も一日お疲れさまでした。
「お子さまにもっと考える力を育んであげたい」「一緒に楽しめる新しい遊びはないかな?」とお思いではないでしょうか?
そんなお母さまにこそ、ぜひ知っていただきたいのが囲碁です。
なぜ囲碁が「生きた論語の学び」と呼ばれるの?
囲碁は白と黒の碁石を交互に置いて、盤の上で陣地を取り合うゲーム。
石を一手打つごとに形勢が変わるため、「ここに置くと次はどうなる?」といった先の展開を考える力が自然と養われます。
- 子曰(しいわ)く
人に遠き慮(おもんぱか)り無ければ、必ず近き憂(うれ)い有り
先のことを考えていないと、すぐに困ったことになってしまうよ
これは、論語が教えてくれる「遠い未来を見据えて行動することの大切さ」を表した言葉です。
囲碁でも、「すぐに相手の石を取る」ことだけに気を取られていると、あとで自分の陣地が狭くなってしまいますよね。
まさに「目先の利益だけを追うのではなく、全体の形勢を見極める」――この考え方こそ、論語の精神と深く通じ合っているのです。
先を読む力(智)
囲碁では、目の前の一手だけでなく、数手先まで考えるのが鍵。
たとえば、お子さまが初めて碁石を持ち、「どこに置いたらいいの?」と迷っている場面を想像してみてください。
思わず「そこはダメ!」と止めたくなるかもしれませんが、まずはこんなふうに声をかけてみませんか?
お母さん
- ここに置くと、お母さんの黒石が増えて強くなるんじゃないかなって思ったの。 あなたはどう感じる?
子ども
- でも、白石がここに置いたら取られちゃうよ!
お母さん
- そうだね。じゃあ次はどう動けばいいかな?一緒に考えてみよう!
お子さまが実際に石を置いてみて、「あれ? 取られちゃった!」という失敗を経験するのも大事な学びです。
こうした対話を重ねるうちに、自分の意見を言葉にする力や相手の発想を受け止める力、そして「先を読む思考力」が育っていきます。
さらに、集中力や考える楽しさを味わうことで、「勉強しなさい!」と叱るよりもずっと自然に「考える習慣」を身につけられますよ。
思いやりや礼節の心(仁・礼)
囲碁の対局は、まず「よろしくお願いします」、終わったら「ありがとうございました」と声をかけ合います。
子ども同士でも「今日は一緒に遊んでくれてありがとう!」と自然に言えたら、とても素敵ですよね。
これらの基本的な囲碁の作法は、まさに論語が大切にしている相手を尊重する心(礼)の実践そのもの。
たとえば、お子さまが「あ!お母さんが石を取られそう!」と気づいたら、 「すごいね、ちゃんと相手の石の状況も見えてるんだね」と声をかけてあげると、 「相手を思いやる気持ち」と「全体を見渡す力」が同時に伸びていきます。
相手を尊重する姿勢(仁・礼)
石を丁寧に置き、相手が置きやすいように手渡す。
「勝った!負けた!」に一喜一憂するだけでなく、「どうしてそう打とうと思ったの?」とお互いを知るきっかけにするのもおすすめです。
親子で一緒に考えていると、「お子さまがこんなふうに考えていたなんて!」と、新たな一面を発見できるかもしれません。
未来を想像する力(智)
「この先どうなるんだろう?」と考えながら置いた一手が、予想外の結果につながることもあります。
その成功や失敗の経験が、お子さまの世界をどんどん広げてくれるはず。
論語が説く「先のことを意識して行動する」習慣は、勉強や日常生活でもきっと役立つでしょう。
囲碁は、親子で「勝ち負け」以上に、一緒に考えたり、教え合ったりする時間を楽しめるゲームです。
お母さまが見守り、「どうしてそこに置いたの?」と優しく問いかけてあげるだけで、論語の知恵――先を読む力、相手を思いやる心が、お子さまの中にすくすくと育っていきます。
「ちょっと難しそう……」と思うかもしれませんが、最初は簡単なルールでかまいません。
ぜひ気軽に碁石を並べてみてくださいね。
きっと、親子で囲碁に取り組む時間が、かけがえのない思い出と、お子さまの成長を優しく見守る大切なステップになることでしょう。
おやすみなさい。
あなたとお子さまの未来が、たくさんの笑顔に満ちたものとなりますように。