囲碁をしていると、つい「そこじゃないよ」「こう打ったほうがいいよ」と教えたくなることがあります。
でも、ちょっと待って。
ルソーはこう言いました。
子どもは、自分の経験から、もっともよく学ぶ。
つまり、大人が正解を与えなくても、子どもは自分の手で打って、結果を見て、そこから自然に学んでいく力を持っているのです。
たとえ負けても、石を取られても、「どうしてだろう?」と考えたり、「次はこうしてみようかな」と工夫したりする。
その思考の繰り返しこそが、深い「まなび」なのです。
アドラーもまた、大人の役割をこう語ります。
子どもを動かすのは指示ではなく、信頼である。
囲碁の場では、大人が答えを教える必要はありません。
「どうだった?」「どんなことに気づいた?」と問いかけるだけでいいのです。
子どもは、自分の中にある「学ぶ力」を使って、
少しずつ、自分のペースで、しっかりと育っていきます。
教えすぎず、待つ。
それが、囲碁と子育てに共通する、大切なスタンスなのです。