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ママ、見ててね!

承認欲求ではなく、共同体感覚を育てよう


お母さま、今日も本当にお疲れさまでした。

「ママ、見てて!」
「これ、できたよ!」
「すごいでしょ?」

お子さまがそう言いながら、何度も同じ動きを繰り返したり、ちょっとしたことで「ほめて!」とアピールしてきたりすること、ありませんか?

そのたびに「はいはい、すごいね~」と返すけど、ちょっと疲れてしまう……。
そんな気持ちになることも、ありますよね。

でも実は、その裏にあるのは「ほめてほしい」だけじゃない、もっと大事な「心のサイン」かもしれません。

アドラー心理学で大切にされる「共同体感覚」

アドラーは、子どもが健やかに育つには「共同体感覚」が必要だと説きました。
それは、「自分はこの世界の一員なんだ」「家族やまわりの人に役立てる存在なんだ」と思える気持ちのことです。
承認欲求(=だれかに認められたい気持ち)は、自然なものですが、「ほめられなきゃ価値がない」と思い込むと、逆に不安定な心を育ててしまうこともあるんです。

「見てくれる人がいる安心感」が、心を満たす

たとえば、お子さまが積み木を高く積み上げたとき、「すごいね!」と「評価」するのもよいのですが、ときにはこう声をかけてみてください。

「がんばって積んだんだね。どんなおうちを作ってるの?」
「あっ、ゆらゆらしてるね。どうする?」

「できたこと」に対してほめるよりも、「そこにあなたがいて、私は見てるよ」と伝えること。
それが、子どもの心をじんわりと温め、「ただ存在するだけで価値がある」という感覚を育ててくれます。

子どもが「自分らしく」いられる関係性

アドラーは「人は他者の役に立っているとき、自分の価値を感じられる」と言いました。
だからこそ、子どもが「役に立ちたい!」「一緒にいたい!」と行動するとき、「ありがとう」「助かったよ」「うれしいな」と、心から伝えてみてください。

その積み重ねが、
「ぼくは大事な一員なんだ。」
「ママといると、ほっとするな。」
という気持ちにつながっていきます。

今日の小さなヒント

  • 子どもが「見てて!」と言ってきたら、「評価」よりも「共感」を。
  • 「どうだった?」「どう感じた?」と問いかけて、子どもの感情に寄り添いましょう。

実践へのステップ

明日、お子さまが何かを見せてくれたら、ぜひこんな言葉をかけてみてください。

「見てたよ。うれしそうだったね。」
「そのとき、どんな気持ちだった?」
「いっしょにいて、ママもうれしいな。」

「すごいね」ではなく、「あなたの気持ち」に焦点をあてる声かけ。
それが、子どもの「心の土台」を育てる近道です。

次回は、
「どうしたら仲良く遊べるかな?」
〜 課題の分離でケンカが減る魔法 〜
です。